技術要素(2)
マルチメディア
マルティメディア技術
「マルチメディア」とは、文字情報をはじめとして、音声、画像、動画といった多様な種類の情報を統合して扱うことコンピュータシステムやインタネット上のWebコンテンツなどでも、従来の文字情報だけを扱っていた世界から、画像や動画などを駆使したものに変わりつつある
Webコンテンツ
WWWブラウザ上の静止画像・動画像・音声・文字などの情報やデータの総称
ハイパーメディア
文字を対象としたハイパーテキストを拡張した概念。文字、画像、音声などのオブジェクトの間に関連付けをして、多様なアクセスを可能にした形態
ストリーミング
音声や動画像などのWebコンテンツを効率的に配信・再生する技術。データをダウンロードしながら再生するため、ユーザはロードの終了を待つ必要がない。インターネットから映画を見たり、音楽を聴いたりすることが容易になる
静止画像
色の構成
光の三原色(RGB)
ディスプレイでカラー表示をする場合、ひとつのドットはR(Red)、G(Green)、B(Blue)の3つの光る点で構成されている。すべての色はRGBのそれぞれの光の強弱で表現する。RGBをすべて光らせると白色、すべて光らせないと黒色になる
色の三原色(CMYK)
プリンタでカラー印刷する場合は、C(Cyan シアン:水色)、M(Magenta マゼンタ;赤紫)、Y(Yellow)を混ぜ合わせて色が作り出される。CMYを混ぜると黒色になるが、鮮明な色にするためにK(black)を加えたCMYKインクが利用される
色の3要素
色には「色相」「明度」「彩度」と呼ばれる3つの要素がある。これらの3つの要素を調節することで、色の統一感を出したり、アクセントとして目立つ色を用いたりする等、さまざまな工夫ができる
要素 | 説 明 |
---|---|
色相 | 色の持つ色合いのこと。色相は色を環状に配置した「色相環」で表す |
明度 | 色の明るさのこと。明度が高いほど白に近くなり、低いほど黒に近くなる |
彩度 | 色の鮮やかさのこと。彩度が高いほど原色に近い派手な色味になり、低いほど落ち着いた地味な色味になる |
画像の品質
画像の品質は、画素や解像度、諧調によって決まる
名称 | 説明 |
---|---|
画素 (ピクセル) | 画像を構成する点のこと。画像の最小単位を表すもの。画素数が多いほど情報量は大きくなる |
解像度 | 画素の密度を表す値。画像のきめ細やかさや滑らかさを表す尺度となる。解像度が高いほどより自然できれいな画像になり、低いと画像にギザギザが表示されたりする |
諧調 (コントラスト) | 色の濃淡の変化。つまりグラデーションのことで、画像表現の細やかさを表す尺度となる。諧調が少ないほど色がはっきりした画像になる |
静止画像のファイル形式
ファイル形式 | 拡張子 | 特 徴 |
---|---|---|
JPEG形式 | .jpg .jpeg | ・1677万色の24ビットフルカラー静止画像の圧縮形式 ・非可逆圧縮方式(元のデータを復元できない、画質が落ちる) ・色調や階調表現の多いカラー写真画像などの圧縮に適している |
GIF形式 | .gif | ・256色までの8ビットカラー静止画像の圧縮形式 ・可逆圧縮方式(元のデータを復元できる) ・圧縮方式はランレングス圧縮 ・イラストやアイコンの保存に適している |
BMP形式 | .bmp | ・画像をドットの集まりで表す ・基本的には圧縮されていない(非圧縮方式) |
TIFF形式 | .tif .tiff | ・異なる形式の画像データを保存可能 ・圧縮を行うかどうかの指定も可能 ・可逆圧縮方式(元のデータを復元できる) |
PNG形式 | .png | 48ビットカラーを扱うことが可能 ・可逆圧縮方式(元のデータを復元できる) |
圧縮率
データ圧縮の比率のこと。圧縮率が高いほどファイルサイズを小さくできる
可逆圧縮方式
データの欠落がまったく起こらない圧縮方式のこと。圧縮された符号を復号すると、圧縮前のデータを完全に復元できる
非可逆圧縮方式
多少のデータの欠落を許容する代わりに、劇的に圧縮効率を高めた圧縮方式。圧縮されたデータを復号しても、圧
Exif
デジカメで撮影した画像ファイルの規格。撮影日時・解像度などの画像情報を追加でき、編集、印刷に活用できる
動画像
フレーム
画像は、静止画を連続して表示することで再生される、「フレーム」とは、動画像を構成する静止画、つまり「コマ」のこと
フレームレート
1秒間に記録/表示できる静止画=コマ数のこと
fps
1秒間にフレーム数。フレームレートを表す単位
ノンリニア画像編集システム
コンピュータを使って画像を編集する方式。ハードディスクに記録し、必要な場面の頭出しや削除、挿入などをすばやく行える。
(⇔リニア画像編集システム:ビデオテープに記録された映像を編集する)
動画像のファイル形式
ファイル形式 | 拡張子 | 特 徴 | |
---|---|---|---|
MPEG形式 | .mpg | 動画像を圧縮して保存するファイル形式。カラー動画像、音声の国際基準のデータ形式。MPEGには以下の3つの形式がある | |
MPEG-1 | ・データ転送速度が1.5Mbps程度 ・画質はVHSのビデオ並み ・Video CDなどで利用されている | ||
MPEG-2 | データ転送速度が4〜15Mbps程度 ・画質はS-VHSのビデオ並み ・DVD-VideoやATSCなどの次世代デジタルテレビなどで利用され ている | ||
MPEG-4 | ・データ転送速度が64kbps程度 ・携帯電話や電話回線などの通信速度の低い回線を通じた、低画 質、高圧縮率の映像の配信を目的とした規格 | ||
SWF形式 | .swf | ・Adobe Flashで作成されたファイル形式 ・Webブラウザなどに組み込まれたFlash Playerで再生する ・テキストや画像、音声、動画、アニメーション、それらを制御するプログラ ムなどを格納することができる | |
AVI形式 | .avi | ・Windowsで音声付きの動画を扱うための形式 ・再生には適切なコーデックを用意する必要がある | |
Quick Time形式 | .mov | ・Apple社の開発した、パソコンで動画や音声を扱うための形式 ・現在ではWindows環境でも広く使用されている |
音声
ファイル形式 | 拡張子 | 特 徴 |
---|---|---|
MP3形式 | .mp3 | ・映像データ圧縮方式のMPEG-1で利用される音声圧縮方式 ・音楽CD並の音質を保ったままデータ量を約1/11(128kbps)に圧縮することが 可能 ・携帯音楽プレーやインターネットでの音楽配信に利用されている |
WAV形式 | .wav | ・Windows標準の音声ファイルの形式 ・圧縮されないのでデータ容量が大きい |
MIDI形式 | .midi | ・音色、音程などの楽譜データを保存、送受信する ・シンセサイザや音源とパソコンを接続して楽曲データをやりとりする ・通信カラオケ等で利用 |
情報の圧縮・伸張
JPEG、MPEGなどのファイル形式は、元のデータを圧縮して取り扱う。圧縮されたデータは、元のデータに戻す(伸張・解凍)操作を経て、コウンピュータ上で再現する。データの圧縮・伸張は、通常はソフトウェアによって行われるが、MPEG-2などのように、ハードウェア的に伸張を行う場合もある。
データを圧縮することで、そのファイルを保存するために必要となる記憶容量を小さくすることが可能。元のデータをどれだけ圧縮するかは「圧縮率」という指標ではかられる。ファイル圧縮方式の規格や、設定などによって、圧縮率は異なる。圧縮率が高ければ高いほど、小サイズ化が可能
ファイル形式 | 拡張子 | 特 徴 |
---|---|---|
LZH形式 | .lzh | ・「LHA」などの圧縮ソフトウェアで圧縮したファイル形式 ・可逆圧縮方式 |
ZIP形式 | .zip | ・「WinZip」などの圧縮ソフトウェアで圧縮したファイル形式 ・可逆圧縮方式 |
アーカイブ
複数のファイルを一つにまとめる処理のこと。ようりょうの大きいファイルを圧縮して空き容量を増やしたり、複数のファイルをまとめて配布したりするときに使用
JPEGやMPEGの圧縮
JPEGやMPEGなどは、ファイル形式自体が圧縮する仕組みを持っているため、自動的にデータが圧縮される
MR符号
FAXの画像を圧縮する方式。G3規格のファクシミリで使用
MMR符号
MR符号を拡張したもの。業務用製品などのファクシミリであるスーパーG3規格で使用
マルティメディアの応用技術
名称 | 説明 |
---|---|
コンピュータグラフィックス(CG) | コンピュータを用いて静止画像や動画像を処理・作成する技術、または作成された画像や動画のこと。2次元と3次元の表現があり、2次元はタブレットを使ったペインティングや写真を取り込んだイメージ処理などに利用されている。3次元は映画や仮想世界の表現、シミュレーション、CADを利用した工業デザインなどに応用されている。数値データの演算により、画像を生成し表示させることを「レンダリング」という |
バーチャルリアリティ(VR) | 現実にはその場に存在していない世界を、あたかもその場に存在するかのように知覚させる要因を生み出す技術の総称。具体的な例としては、本物さながらの操作環境と、操作に連動した高度な3DCGを駆使したフライトシミュレータなどがある |
拡張現実(AR) | 現実の世界に、CGで作成した情報を追加する技術。現実の風景にコンピュータ処理した地図を重ね合わせて表示するなど |
コンピュータシミュレーション | コンピュータを使って何らかの現象をシミュレート(疑似実験)すること。さまざまな疑似的状況を作り出すことで、実際の理論や実験では得られない成果を生み出すことができる。ビル火災の被害状況や温暖化の影響による気候予測などに応用されている。コンピュータシミュレーションを行うハードウェアやソフトウェアを「シミュレータ」という |
インターネット放送 | インタネットを通じて放送される動画像。ビデオオンデマンドとは。インターネットなどを通じて、動画像を提供鵜sるサービス |
クリッピング
画像表示領域を特定の範囲だけに限定し、見える部分だけを取り出す手法
デスクチャマッピング
モデリングされた物体の表面に柄や模様などの画像(テクスチャ)を貼り付ける手法
アンチエイリアシング
画像の斜め線や曲線部分のギザギザした感じを滑らかにする手法
ブレンディング
透明、半透明の物体の画像に、透明感を表現する手法
レイトレーシング
物体に対して号減の位置を定め、光のあたり具合を画像に表現する手法
シューディング
立体感を持たせるために、物体の表面に影付けを行う手法
モーフィング
ある物体から別の物体へ変化する動画像を表示するために、その中間画像を作成する手法
コラージュ
別々に撮影した風景と人物の映像をコンピュータを利用して合成し、実際とは異なる映像を作ること
 

