基本情報技術者試験
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コンピュータシステム(3)

コンピュータ構成要素

バス

装置間のデータのやり取りに使われるデータの通り道のこと
コンピュータ内部では、各装置がバスによって物理的に接続されている

バスの種類と特徴

内部バス(CPU内部バス)

CPU内部のデータのやり取りに使用される伝送路のこと

外部バス

CPUや主記憶装置、周辺機器の間でのデータのやり取りに使用する伝送路のこと

名称説明
システムバスCPUや主記憶装置間を結ぶ高速な伝送路
フロントサイドバス(FSB)CPUとチップセット間の伝送路
メモリバスチップセットと主記憶装置間の伝送路
入出力バスCPUと周辺機器(入出力装置など)を結ぶ低速な伝送
チップセット

CPUの周辺回路を搭載した半導体集積回路のこと

用途による分類
名称説明
アドレスバスCPUと主記憶装置間で、データが存在する場所(アドレス)のやり取りに使用する
データバスCPUと主記憶装置間で、データのやり取りに使用する
制御バスCPUと主記憶装置間で、読み書きのタイミングなどの制御情報のやり取りに使用する。「コントロールバス」とも呼ぶ
拡張バス

コンピュータに機能を追加するときに使用する拡張カードとCPU間でのデータのやり取りに使用する伝送路のこと。(例:PCIバス)
ハードディスクなど高速なデータのやり取りが求められる周辺機器を接続するときに使用される

バスのアーキテクチャ

処理速度を向上するための技術
名称説明
ハーバードアーキテクチャ命令とデータの転送をバスで分離したアーキテクチャ
ノイマンアーキテクチャ命令とデータを分離せず同じバスを利用するアーキテクチャ

バスの性能

バス幅

バスが一度のクロックで同時に送れるデータ量のこと。主にデータ転送を行う信号線の本数によって左右される。バス幅はビット(bit)単位で表す。内部バスのクロック周波数を「コアクロック周波数」、外部バスのクロック周波数を「外部クロック周波数」という

データ転送方式による分類
名称説明
シリアルバスデータを1ビットずつ転送するバス。転送するデータを同期化する必要がないため、高速に転送できる
パラレルバスデータを複数まとめて転送するバス。転送するデータを同期化する必要があるため、高速に転送できない
バスのアクセスモード

データをやり取りするときにバス幅を制御するモード

電子回路の構成部品


コンピュータを構成する電子回路に使用されている主な電子部品
名称説明
ダイオード片方向にしか電流を流さない半導体素子。電源装置の交流電流を直流に交換する電子回路などに利用
LED
(発光ダイオード)
電流を流すと発光する半導体素子。赤色、橙色、黄緑色、黄色、青色、白色のLEDが実用化。信号機、自動車の表示機器、照明機器などの光源として利用
トランジスタ電流の増幅やスイッチ動作を制御できる半導体素子
バイボーラトランジスタ流れる電流を電圧によって制御する
電界効果トランジスタ電圧から発生させた電界によって制御する
IC小さなシリコン基盤の中にダイオードやトランジスタなどの半導体素子をつなぎあわせて作成した電子回路。コンピュータから家電製品まで様々な場面で利用
LSI(大規模IC):半導体素子の数が1000素子以上
VLSI(超大規模IC)*半導体素子の数が100万素子以上

入出力インタフェース


コンピュータと周辺機器など、2つの間でデータ(電気信号)のやり取りを仲介する装置や方式のこと


データの転送方式による分類
名称説明
シリアルインタフェースデータを1ビットずつ転送するインタフェース
パラレルインタフェースデータを複数ビットまとめて転送すインタフェース
ワイヤレスインタフェース赤外線や無線伝送技術を利用してデータを転送するインタフェース

入出力インタフェースの種類

転送方式名称用途例説明
シリアルPS-232Cモデム
マウス
以前はPC/AT互換機で標準装備されていたが、現在はレガシーデバイス
USBキーボード
マウス
プリンタ
ディスプレイ
ツリー接続で127台までの周辺機器を接続可。転送速度はUSB1.0,USB1.1:1.5Mbps,12Mbps、USB2.0:480Mbps、USB3.0:4.8GMbpsがある
HOTプラグ、バスー方式に対応
IEEE1394
(アイトリプルイー)
(FireWire)
(i.Link)
デジタルビデオカメラ
DVD-RAMドライブ
デイジーチェーン接続で16台(コンピュータ含17台)まで、ツリー接続で63台までの周辺機器を接続可。伝送速度は100Mbps、200Mbps、400Mbpsの3つ。ホットプラグ、バスパワー方式に対応
シリアルATA
(SATA)
内蔵のハードディスク
DVD-RAM
従来のATAはパラレルであったが、シリアルATAはシリアルインタフェースを採用、高速転送が可能。ホットプラグ対応
パラレルSCSI
(スカジー)
外付けのハードディスク
CD-ROM
PV/AT互換機では標準装備されず、SCSIボードで拡張し使用。7台(SCSIボード含8台)or15台(SCSIボード含16台)までデイジーチェーン接続可
IEEE1284プリンタデバイス幅は8ビット(1バイト)、コネクタはD-sub26ピンのメスでケーブル長は最大5m。現在はレガシーデバイスとなっている
ワイヤレスIrDAノードパソコン
PDA
転送距離は一般的に2m以内。機器間に障害物があると、データ転送が阻害される
Bluetoothキーボード
マウス
PDA
携帯電話
2.4GHzの周波数帯を使用して、半径10m以内の無線通信を行う。機器間に障害物があっても電波の届く場所であれば通信可。伝送速度は1Mbps
レガシーデバイス

PS/2ポートなど古いインターフェース、またはそれに対応した機器のこと

ツリー接続

ハブを用いて、木の枝のように配線する接続形態のこと

ホットプラグ

コンピュータの電源を入れたまま、周辺機器を脱着できること

バスパワー方式

接続ケーブルを経由することで、バスから周辺機器に電源を供給すること

デイジーチェーン接続

複数の機器を数珠つなぎに配線する接続形態。終端部分で電気信号が反射しないように両端に「ターミネータ」という抵抗を必ず取り付ける

入出力制御の方式

名称説明
DMA方式CPUを介さずに周辺機器へのアクセスを制御し、「DMSコントローラ」という専用の装置によってデータを制御する方式
チャンネル制御方式CPUを介さずに周辺機器へのアクセスを制御し、「入出力チャンネル」という専用の装置によってデータを制御する方式。主に、汎用コンピュ―タなどで使用
プログラム制御方式
PIO
CPUがデータのやり取りを制御する方式。CPUの制御に時間がかかるため、他の処理が遅れてしまう

デバイスドライブ

入出力インタフェースを通じてパソコンに接続された周辺機器(デバイス)を、OSによって制御するために、「デバイスドライバ」と呼ばれるプログラムが利用される
従来は、割り込み処理やI/Oアドレス、リソースの割り当て、といった設定を行った上で、デバイスドライバをOSに因数トールする必要があったが、Windows95以降、「プラグアンドプレイ」の実装によって、複雑な前知識を必要とせずに周辺機器を利用できる

プラグアンドプレイ

パソコンに周辺機器や拡張ボードなどを接続した際に、自動的に機器の検出と適切な設定を行うシステムのこと。Windows95で初めて本格的に実装された。周辺機器もプラグアンドプレイに対応している必要がある

入出力装置

入力装置

コンピュータに命令やデータを与える装置のこと。人間が扱っているアナログデータをデジタル化し、コンピュータで処理できる形式に変換する

A/Dコンバータ

アナログ信号からデジタル信号へ変換する装置のこと

主な入力装置
名称説明
 キーボードキーを押すことでパソコンに文字を入力したり、命令を与えたりする










マウスLEDの光を光学的に読み取り、アイコンなどの位置を入力する(光学式マウス)
トラックボール半球状に飛び出したボールを指で回転させて、ポインタを操作する。ノートパソコンで使用
デジタイザ製図版のような平らなポードの上をポインティングデバイスでなぞることで入力する装置。CAD用のシステムとして多用されている
3次元デジタイザ:磁気、レーザ、超音波などのセンサーを使って非接触で読み取って形状を入力する。芸術、建築、医療用に多用。机上で使用できる小型のものを「タブレット」といい「スタイラスペン」で入力する
タッチスクリーン
(パネル)
画面を直接、指やペンで触って操作する
金融機関のATMや駅の自動券売機などでよく利用される
ジョイスティックレバーと複数のボタンが付いていて、レバーを前後左右に傾けたり、ボタンを押したりするすることで操作する。ゲーム機でよく利用される


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イメージスキャナ写真・絵などを読み取って、画像データに変換する画像入力装置。フラットベッド型、シートフィーダ型、ハンディ型がある
OCR手書きの文字や印刷された文字などをイメージスキャナで読み取り、OCRソフトで文字データに変換する文字認識装置。
OMRマークシート
生体認証装置指紋、掌紋、静脈パターンなどを読み取る装置。建物の出入り、銀行のATMなどに利用者認証として利用
バーコードリーダ商品などにつけられたバーコードを読み取って数値データに変換する。POS末端の入力装置として利用。据置型、ハンディ型がある
デジタルカメラ風景や人物を撮影し、画像データとして記憶する画像入力装置


マイク(音声入力)声や音をパソコンで扱える音声データに変換する音声入力装置
磁気カード読取装置クレジットカードやキャッシュカードなどの磁気が貼ってある部分の情報を読み取る装置
ICカード読取装置クレジットカードやキャッシュカードなどの磁気が貼ってある部分の情報を読み取る装置
ポインディングデバイス

画面上の位置情報(座標情報)を入力する装置のこと

イメージ入力装置

写真や絵などのイメージをコンピュータに入力する装置のこと

スタイラスペン

ペン型の入力装置のこと。タブレットやPDAで図形や文字を入力するときに使用

出力装置

コンピュータで処理した結果を表示する装置のこと。コンピュータ内部で扱っていたデジタルデータをアナログ化し、人間に理解しやすい形式に変換できる

D/Aコンバータ

デジタル信号からアナログ信号へ変換する装置のこと

ディスプレイ
種類特徴
CRT
ディスプレイ
ブラウン管を使用した表示装置。表示性能は高いが装置が大きい、消費電力が大きい
液晶
ディスプレイ
液晶を利用した表示装置。液晶に電圧をかけると光の透過性が変化する性質を利用して表示する。液晶パネルの構造によりTFT方式、DSTN方式、STN方式がある
有機EL
ディスプレイ
有機ELとは、電圧を加えて自ら発行する定電圧駆動、低消費電力の表示装置。発行体にジアミンやアントセランなどの有機体を利用
プラズマ
ディスプレイ
2枚のガラス板の間に不揮発性のガスを封入し、そこに高電圧をかけることでプラズマ放電させ画像を表示する装置
インターレース表示

画像の走査を2回に分けて、2回目の走査ではじめて1枚の完成した画像を表示する方法。高性能でちらつきが少ない

ノンインターレース表示

1回の走査で画像を表示する方法。コンピュータのディスプレイで採用されている

TFT方式

視野角が広く、表示速度が速い

DSTN方式

STN方式の表示速度とコントラストを改良したもの。TFT方式と比べると性能は劣る

STN方式

初期の液晶ディスプレイの方式。視野角が狭い、表示速度が遅い、表示が暗いなどのデメリットがある

ディスプレイの解像度
解像度とは

画面表示の精細さを表す。画面に表示できる横と縦のドット(点)の数で表し、解像度を大きくすると表示できる情報量は多くなり、文字や画像を縮小される

名称解像度(横×縦)表示色
VGA640×480ドット16色
SVGA800×600、1024×768、1280×1024ドット等256色〜約1677万色
XGA1024×768ドット〜約1677万色
UXGA1600×1200ドット〜約1677万色
ビデオメモリ容量の計算
ビデオメモリ(VRAM)

ディスプレイにデータを表示するために使うメモリのこと。ビデオメモリの容量によってディスプレイに表示可能な解像度や色数が異なる

表示に必要なビデオメモリの容量を求める計算式
   横のドット数×縦のドット数×1ドットあたりに必要な色のビット数
表示色1ドットあたり必要な色のビット数
16色4ビット=24(16通り)
256色8ビット=28(256通り)
65536色16ビット=216(65536通り)
約1677万色24ビット=224(約1677万通り)
グラフィックアクセラレータボード

画像処理を高速にするための拡張ボードのこと。画像処理専用のCPUと、ディスプレイに表示するための画像データを一時的に記憶するVRAMを搭載している

プリンタ
名称説明
インクジェットプリンタノズルの先から霧状にインクを用紙に吹き付けて印刷する装置。安価で、カラー印刷も美しくできることから、個人向けプリンタの主流
レーザプリンタレーザ光と静電気の作用でトナーを用紙に付着させることで印刷するする装置。印刷は高速で、品質も高く、オフィスで利用されるプリンタの主流
プロッタ設計図などの図形を印刷する装置。CADなどで作成された製図を印刷するのに用いられる
印刷単位による分類
ページプリンタ:1ページ分の印刷パターンをプリンタのメモリ上に蓄え
 一括印刷するプリンタ
ラインプリンタ:1行ずつ印刷するプリンタ
シリアルプリンタ:1文字ずつ印刷するプリンタ
印字方法による分類
インパクトプリンタ:印字部を用紙に打ち付けることにより印刷する
 プリンタ
ノンインパクトプリンタ:印刷に衝撃を利用せず、熱や静電気を利用して、
 インクを紙に噴射して印刷するプリンタ
その他
名称説明
プロジェクタコンピュータやテレビなどの画像をスクリーンに拡大して映写する装置
音声合成装置コンピュータによって音声を人工的に作り出す装置

 

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