技術要素(4)
ネットワーク
ネットワーク方式
ネットワークとは複数のコンピュータをケーブルで接続して利用する形態
資源の共有
プログラムやデータなどのソフトウェア資源と、記憶装置やプリンタなどのハードウェア資源を共有できる。データなどを共有することで作業の効率化を図り、ハードウェアを共有することでコストダウンを図る、メリットがある
情報の交換
データだけでなく、文字や音声などのメッセージ、静止画像、動画像などマルチメディア情報のやり取りができる。遠隔地でも様々な表現を用いたコミュニケーション手段として利用できる
ネットワークの種類
LAN
ケーブルや無線などを使って、同じ建物の中にあるコンピュータや通信機器、プリンタなどを接続し、データをやり取りするネットワーク。「構内通信網」
WAN
電話回線や専門線を使って、本社−支店間など地理的に離れた地点にあるコンピュータ同士を接続し、データをやり取りすることを言う。「広域通信網」

インターネット
通信プロトコルTCP/IPを用いて全世界のネットワークを相互に接続した巨大なコンピュータネットワーク。インターネット上で提供されるサービスやアプロケーション(WWWやFTP、電子メールなどの基本的なものからクレジット決済などの高度なものまで)は、そのほとんどが、TCP/IPという機器に依存しない標準化されたプロトコルを利用しており、インターネット上では機器の違いを超えて様々なコンピュータが通信を行うことができる
ネットワークの構成要素
LANの接続形態
LANにおけるネットワークの接続形態は「トポロジ」と呼ばれる。主に以下のような種類がある
トポロジ | 説 明 | 長 所 | 短 所 |
---|---|---|---|
バス型 | バス(母線)と呼ばれる1本の伝送路を中心に、コンピュータや周辺機器をバスから分岐して接続する形態 | コンピュータ自体の故障がネットワークに影響を及ぼしにくい | 故障個所の特定が困難 構築費用は比較的高価 |
スター型 | ハブ(HUB)などの集線機能を中心として、コンピュータや周辺機器を放射状に接続する形態 | コンピュータの増設や移設が簡単 | ハブなどの集線装置が故障するとネットワーク全体が停止 |
リング型 | 伝送路をリング状に配置し、コンピュータや周辺機器を接続する形態 | 故障個所の特定が容易 | コンピュータや伝送路の1か所で障害が起こると、ネットワーク全体が停止。構築費用は高価 |

LANの規格
イーサネット
最も普及しているLANの国際標準規格
分類 | 規格 | 伝送速度 | セグメ ント長 | トポロジ | ケーブルの種類 | コネクタ | 用途 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
イーサネット | 10 BASE5 | 10Mbps | 500m | バス型 | 同軸ケーブル (Φ10mm) | AUI | コンピュータ接続 |
10 BASE2 | 10Mbps | 185m | バス型 | 計量同軸ケーブル (Φ5mm) | BNC | ||
10 BASE-T | 10Mbps | 100m | スター型 | ツイストペアケーブル | RJ-45 | ||
ファスト・ イーサネット | 100 BASE-TX | 10Mbps | 100m | スター型 | ツイストペアケーブル | RJ-45 | 高速コンピュータ接続 または バックボーンLAN |
100 BASE-FX | 10Mbps | 2km | スター型 | 光ファイバケーブル | DSC | ||
ギガビット・ イーサネット | 1000 BASE-T | 1Gbps | 100m | スター型 | ツイストペアケーブル | RJ-45 | バックボーンLAN |
1000 BASE-CX | 1Gbps | 25m | スター型 | ツイストペアケーブル | RJ-45 | ||
1000 BASE-LX | 1Gbps | 550m | スター型 | マルチモード 光ファイバケーブル | DSC | ||
1Gbps | 5km | スター型 | シングルモード 光ファイバケーブル | DSC | |||
1000 BASE-SX | 1Gbps | 550m | スター型 | マルチモード 光ファイバケーブル | DSC |

セグメント
LANを構成する単位のひとつ。通常は、1本のケーブルで構成される
ファスト・イーサネット
通信速度を100Mbpsに高めた高速なイーサネット規格
ギガビット・イーサネット
通信速度を1Gbps(1000Mbps)に高めた高速なイーサネット
スイッチ
ネットワーク間の接続を行うネットワークデバイスのひとつで、100MASE-T/100BASE-TXで使用するツイストペアケーブルを収容するための集線装置のこと
バックボーンLAN
コンピュータが直接接続された複数のLANを接続して、全体をひとつのネットワークとして働かせるためのLANのこと。「基幹LAN」。高速、大容量、高信頼性が求められる。従来の100MbpsのFDDIの代わりに1Gbpsのギガビット・イーサネットが良く利用されるようになってきた
FDDI
規 格 | 規格団体 | 伝送媒体 | 伝送速度 | 特 徴 |
---|---|---|---|---|
FDDI | ANSI | 光ファイバケーブル | 100Mbps | 2重リング型のトロポジで、ケーブルの断線などが発生してもデータ通信ができるしくみになっている(通常は片方のリングで運用) |
無線LAN
規 格 | 規格団体 | 伝送媒体 | 伝送速度 | 特 徴 |
---|---|---|---|---|
無線LAN | IEEE802.11委員会 | 電波または赤外線 | 11〜54Mbps | 通信エリア内であれば、自由に場所を移動して使用できる。電波方法は障害物がある程度無視でき、伝送距離は100m程度。赤外線方式は障害物を無視できない |
無線LANは電波や赤外線を用いてネットワークを構築する技術。ケーブルを使用しないので、オフィスレイアウトを頻繁に変更したり、配線が容易になったり、美観を重視するような場所で利用される。無線LANにはいくつかの規格があり、同じ規格でないと通信できないので注意が必要
規 格 | 使用周波数帯 | 通信レート | 特 徴 |
---|---|---|---|
IEEE802.11a | 5.2GHz | 54Mbps | 通信速度が速い 使用周波数が高いため、障害物などの影響を受けることがある ほかの電子機器であまり使用されていない周波数のためノイズに強い |
IEEE802.11g | 2.4GeHz | 54Mbps | 通信速度が速い
11b企画と互換性がある 使用周波数が低いため、障害物の影響は受けにくい ほかの電子機器でよく使用されている周波数のため、通信の品質が11aより劣る |
IEEE802.11b | 11Mbps | 高速な規格と比べると安価で入力できる 使用周波数が低いため、障害物の影響は受けにくい ほかの電子機器でよく使用されている周波数のため、通信の品質が11aより劣る |
LANの構成機器
機 器 | 特 徴 |
---|---|
LANボード | パソコンとLANを接続するための拡張ボード。「LANアダプタ」「NIC(ネットワークインタフェースカード)」LAN側とパソコン側の両方の規格に合ったものが必要 |
トランシーバ | 10BASE5規格のLANにおいて、パソコンに装着したLANボード同軸ケーブルに接続するための機器。パソコンと同軸ケーブル間の送受信、衝突検出をパソコンに伝える機能がある |
ハブ | スター型のLANで使用される集線装置。リピータ機能を備えているものが多く、「リピータハブ」とも呼ぶ |
ケーブル | LANに接続するコンピュータや各機器をつなぐ |
ケーブルの種類
ケーブル | 特 徴 |
---|---|
同軸ケーブル | 絶縁体の中心にある銅線と、それを囲んだ網目状の銅線で構成されたケーブル。外部からのノイズに強い。太さによって、Φ10mmの標準同軸ケーブルとΦ5mmの同軸ケーブルなどがある |
ツイストペアケーブル | 2本の細い導線をよった線を何組か束ねたケーブル。柔らかく細いため扱いやすい。「より対線」とも呼ぶ。ツイストペアケーブルの一種で、ケーブル内部で入力と出力の信号線を交差させたケーブルのことを「クロスケーブル」と呼ぶ |
光ファイバケーブル | 石英ガラスやプラスチックなどでできている細くて軽いケーブル。データの劣化や減衰がほとんどなく信号を伝達することが可能。電磁波の影響を受けない。データ伝送には電気信号ではなく光を使用。伝送速度は10Mbps〜1000Mbpsと幅広い |
AUIケーブル
トランシーバとLANボードやハブをつなぐケーブルのこと。「トランシーバケーブル」
中継装置
装 置 | 特 徴 |
---|---|
リピータ | 伝送距離を延長するためにケーブル上を流れる電気信号を増幅する装置。OSIの第1層(物理層)で接続する |
ブリッジ (バス型) | 複数のLAN間を接続する装置。各コンピュータ内のLANボードのMACアドレスを記憶し、通信に関係しないLANに不要なデータは流さないので、トラフィック(ネットワーク上のデータ)を減らすことが可能。OSIの第2層(データリンク層)で接続 |
スイッチングハブ | 宛先MACアドレスが存在するLANポートだけにパケット転送するき機能を持つ。各MACアドレスがどのLANポートに存在するかを学習する機能がある。リピータハブと違い、介在するハブの台数に制限がない |
LANアナライザ
LAN上を流れるパケットを監視して、トラフィック量(データ量)を分析するソフトウェアやハードウェアのこと
MACアドレス
LANボードに製造段階で付けれる48ビットの番号のこと。LAN内の各コンピュータを識別するためにつけられている
デフォルトゲートウェイ
ネットウェーク外のコンピュータにアクセスする際に使用するコンピュータやルータなどの機器のこと。通信を可能とするための出入り口となる
ネットワークの通信回線
海鮮の種類 | 必要な機器 | 機器の役割 |
---|---|---|
アナログ回線 | モデム (変復調装置) | デジタル信号とアナログ信号を変換する |
ISDN | DSU (回線終端装置) | コンピュータのデジタル信号形式とネットワーク上のデジタル信号形式とを変換する。デジタル回線の終端に接続する |
TA (ターミナルアダプタ) | ISDNのデジタル信号とアナログなどの他の信号とを変換する。DSUを内蔵するものが多い | |
ダイヤルアップアダプタ | TAやDSU、ハブの機能を備えたルータ。一般的にLANから同時に複数のパソコンをISDN回線でインターネット接続させる役割を持つ | |
ADSL | ADSLモデム | ADSLのアナログ信号とデジタル信号とを変換する。コンピュータ側の接続ボードにはイーサネットやUSB対応のインタフェースがある |
スプリッタ | 音声記号とデータ信号とを帯域で分離する | |
FTTH | メディアコンバータ | 光信号と電気信号とを変換する |
PBX
内線電話で使用される構内電話交換機のこと。電話回線と接続することにより、企業などの限られた範囲内で内線電話網が構築できる
 

