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コンピュータシステム(4)

ソフトウェア

OS(オペレーティングシステム)

OSの必要性

OSコンピュータにおけるハードウェアやソフトウェアなどの資源を利用するために制御を行う役割を持つソフトウェア。「基本ソフトウェア」などとも呼ばれる
OSは、ソフトウェアがハードウェアを使用するための仲立ちをし、また、ユーザがコンピュータから情報を得るための基本的な様式を定める。そのため、OSの種類はコンピュータシステム全体の生産性に深く関わっている

システムソフトウェア

コンピュータのハードウェアを管理・制御するなど、コンピュータの稼動自体に必要となるソフトウェア。典型的なシステムソフトウェアとして、オペレーティングシステム(OS)があり、様々なソフトウェア処理のプロセスに対し、CPUやメモリの割り当てを管理、記憶装置にデータファイルを正しく読み書きできるようにするなど、さまざまな処理を行っている。キーボードやマウスなどの入力装置からの信号を、後述のアプリケーションソフトウェアに通知、アプリケーションソフトウェアの要求に応じて、画面への図形や文字の表示を行うのも、オペレーティングシステムの機能である

ミドルウェア

オペレーティングシステムでは提供されない機能のうち、さまざまなアプリケーションソフトウェアで利用される一般性のある機能を提供するもの

アプリケーションソフトウェア(応用ソフトウェア)

アプリケーションソフトウェアは、利用者の目的に応じた機能を提供するソフトウェア

ソフトウェアの分類
種 類説 明
システム
ソフトウェア
基本ソフトウェアハードウェア・アプリケーションソフトウェアを管理・制御するソフトウェア。広義には、ユーティリティプログラム、言語プロセッサをふくむこともOS
ユーティリティプログラム
言語プロセッサ
ミドルウェアOSでは提供されない機能のうち、さまざまなアプリケーションソフトウェアで利用される一般性のある機能を提供するデータベース管理システム
通信管理システム
運用管理ツール
ソフトウェア開発支援システム
アプリケーションソフトウェア共通
アプリケーション
ソフトウェア
さまざまな業務や業種に共通して使用されるソフトウェアワープロソフト
表計算ソフト
CAD/CAM
統計処理プログラム
グラフィックスソフト
グループウェア
個別
アプリケーション
ソフトウェア
特定の業務や業種を対象として使用されるソフトウェア給与計算ソフト
財務管理ソフト
販売管理ソフト
採算管理ソフト
ユーティリティプログラム(サービスプログラム)

コンピュータを効率よく利用し、機能・操作性を向上させるソフトウェア。ディスクの圧縮・最適化、メモリ管理ソフトなどOSの機能を補うものから、スクリーンセーバやウィルス対策ソフトまで様々

OSの機能

機 能説 明
メモリ管理メモリ領域を有効に利用するために管理する。仮想メモリを利用することで、実際のメモリ容量より多くのメモリを使用できる
資産管理コンピュータの資源(CPU、メモリ、HD、ソフトウェア)を効率的に利用するために、資源の割り当てや管理を行う
入出力管理キーボードやプリンタなど周辺機器の管理や制御を行う
ファイル管理ファイルをHDやFDに書き込み・読み込みを行う。ユーザごとにコンピュータ内のファイルやフォルダの使用を制限可能
ユーザ管理コンピュータに複数のユーザアカウントを登録・削除可能。登録ユーザアカウントごとにアクセス権・プロファイルなどの情報を管理
タスク管理実行中のプログラムを管理する。プログラムの実行単位を「タスク」という。マルチタスクの機能をもつOSは複数のタスクを並べて実行可能
仮想メモリ

OSによるメモリ管理の方式の一つ。メモリ領域に物理的なアドレス(番地)とは別に仮想的なアドレスを割り当てて管理する方式。細切れのメモリ空間を連結して一つの連続した空間として利用、補助記憶装置(ハードディスクなど)上にも仮想的なメモリ領域を確保することで、物理メモリの容量を超えてメモリ空間を利用可能にする

プロファイル

環境ごとに異なるユーザアカウントごとの情報の集まりのこと。デスクトップのレイアウト、ネットワークの設定、ヒューマンインタフェースの設定などを管理している

ユーザアカウント

コンピュータを使うために必要となるユーザ名やパスワード等の情報の集まり。ひとつのプロファイルが関連付けられていてログオンするとプロファイルの情報が読み込まれる

マルチタスク

CPUが同時に複数のタスクを実行する機能のこと

OSの種類

OSにはさまざまな種類があり、それぞれのOSでファイルやフォルダなどの管理方法が異なる。異なるOS間ではファイルが正しく表示されないなどのトラブルが起こることも

種 類説 明
MS-DOSMicrosoftが開発したOS。主に16ビットのPC/AT互換機で動作する。CUIで操作。シングルタスク方式を採用
Windows98/
…/Vista/7
MicrosoftのMS-DOSに替わるOS。32ビットのPC/AT互換機で動作。最近では64ビットに対応したものも。GUIを採用。マルチタスクを採用
Mac OSAppleのMacintosh用OS。GUIを最初に採用したOS。画像処理などは定評がある
UNIXAT&Tベル研究所開発。主にワークステーション用のOS。CUIが基本だが、X-Window導入でGUIとして扱うことが可能。マルチタスク、マルチユーザで動作する。安定性や堅牢性にも定評がある
LinuxUNIXと互換性のあるOS。比較的スペックの低いコンピュータでも安定して動作する。CUIが基本だが、ソフトウェアを組込んでGUIとして扱うことが可能。無償使用で仕様が公開されているオープンソースソフトウェア。特に産業用ロボットや組込機器などで多く採用
CUI(キャラクターユーザインタフェース)

「コマンド」と呼ばれる命令をキーボードで入力して、コンピュータを操作する。文字を主体として命令や処理結果を表示する

GUI(グラフィカルユーザインタフェース)

「アイコン」と呼ばれるグラフィックの部分をマウスなどでクリックして、コンピュータを視覚的に操作する

ファイルの管理


コンピュータシステムで扱われるファイルの体系的管理を「ファイル管理」と総称する。ファイル管理には、ファイルの作成・保存に加えて、ディレクトリの作成、ファイルやディレクトリの複製、および、適切なアクセス権を設定することなどの操作が含まれる

ディレクトリ(フォルダ)管理

コンピュータの記憶メディア(ハードディスクなどファイルシステム)のファイルを整理・管理するための、階層構造(ツリー構造)を持つグループ名。WindowsやMacintoshではほぼ同じものを指して「フォルダ」と呼んでいる。ディレクトリは入れ子式の階層構造になっている

ルート(ルートディレクトリ)

全てのディレクトリを含んだ最上位の階層のこと

カレントディレクトリ

現在アクセスしているディレクトリのこと

パス

任意のディレクトリを指定するための記述はパスと呼ばれる

指定方法説 明
相対パス現在のディレクトリ(カレントディレクトリ)から見た目的のファイルの位置を指定する方法
絶対パスルートディレクトリから目的のファイルまですべてのディレクトリ名とファイル名を階層順に指定する方法
相対パス・絶対パス
パス
□の中:絶対パスの表記   □の外:相対パスの表記
システムによって / は \ 表記になることがある

パスの表記意 味
.カレントディレクトリ
..1つ上の階層
¥or/ディレクトリの区切り。システムによって他の記号を使うこともある

ファイル共有

ネットウェークを構築していると、ネットワーク上でコンピュータのファイルを複数のユーザで共有して利用が可能。ネットワーク上でディレクトリやファイルを共有する場合は「アクセス権」を設定し、ユーザごとに書き込み、閲覧を制限できる

バックアップ

バックアップは、システムの誤操作や障害などによってファイルが破損されるような事態に備え、ファイルの複製を別途保存する作業

留意点
・定期的にバックアップを行う
・業務処理の終了時など、日常業務に支障のないスケジュールにする
・バックアップ用の媒体はバックアップに要する時間や費用を考慮し、バックアップする
 データがすべて格納できる媒体を選択する
・バックアップファイルは、ファイルの消失などを回避するために、通常、正副2つを作成
 し別々の場所に保管する
バックアップ対策ファイル

利用者が作成した大切なファイルや環境設定を格納したファイルなどがバックアップの対象。通常、OSやアプリケーションソフトはバックアップの対象にはしない

バックアップの種類
バックアップの種類
フルバックアップ
差分バックアップ
増分バックアップ
世代管理

過去のバックアップデータを何世代分か保管しておくこと。バックアップデータはデータを普及する時に必要となるが、データを誤って書き換えてしまった場合、古いデータが必要となることがあるため、世代管理を行っておくと役立つことがある

バックアップの方法

別のドライブやバックアップ用の記憶媒体にバックアップする

方 法説 明
ファイルやフォルダをコピーファイルやフォルダ単位でバックアップをとる
バックアップツールを利用専用のアプリケーションソフトウェアを使用し、バックアップをとる
バックアップの記憶媒体

バックアップ対象のファイルの容量や用途に応じて、記憶媒体を選択する
ハードディスク、MO、CD-R、CE-RW、DVD-R、DVD-RW、DATなどが利用される

DATを利用したバックアップ

「DAT」は磁気テープの一つ。ハードディスク全体のバックアップを取るのに適している。ファイル単位ではなく、ディスク単位でバックアップをとる

開発ツール


特定の業務や目的のために利用されるソフトウェアを総称して「アプリケーションソフトウェア」という。「応用ソフトウェア」とも呼ばれる。文書作成、グラフの作成、画像編集、など、各種目的に応じて使い分けられる
代表的なアプリケーションソフトウェアの分類として、「ワープロソフト」、「表計算ソフト」、「プレゼンテーションソフト」などがある。また近年では、文字をはじめ画像、音声などの要素を複合してマルチメディアコンテンツを作成できる「マルチメディアオーサリングツール」の重要性が増している

ソフトウェアパッケージ

アプリケーションソフトウェアの最も一般的な提供形態は、ライセンスとソフトウェアを一つのパッケージ商品として販売する「ソフトウェアパッケージ」です。購入したパソコンにあらかじめインストールされている「プリインストール」販売などに対して、通常の販売形態がとられているソフトウェアを「パッケージソフトウェア」などと呼ぶこともある

ワープロソフト

文書の作成、編集、印刷などができるソフトウェア。Word、一太郎など
主な機能
・文書作成
・表の作成
・イラストや図形、図表の埋め込み

表計算ソフト

ワークシートにデータや計算式を入力し、集計、グラフ作成などができるソフトウェア。Excel、Calcなど
主な機能
・表計算機能
・グラフ機能
・データベース機能

プレゼンテーションソフト

プレゼンテーション資料にイラストやグラフ、表、画像などを挿入し、ビジュアル化することができるソフトウェア。PowerPoint、Agreeなど
主な機能
・スライドの作成
・表現力豊かなプレゼンテーション

WWWブラウザ(Webブラウザ)

インターネット上の「ホームページ」の情報を閲覧・検索するためのソフトウェア。Internet Explorer、Firefoxなど
主な機能
・ホームページの閲覧
・ホームページの検索

記号意 味
AND複数のキーワードをすべて含む情報を検索するフランスANDワイン
OR複数のキーワードのいずれかを含む情報を検索するフランスORワイン
NOT複数のキーワードのうちAを含み、Bは含まない情報を検索するフランスNOTワイン

電子メールソフト

インターネットを介してメッセージをやり取りするソフトウェア。Outlook、Eudoraなど
主な機能
・電子メールの送受信能
・電子メールの分類
・アドレス帳の利用

OSS(オープンソースソフトウェア)


ソフトウェアのソースコードを無償で公開し、改良や再配布が誰に対しても許可されているソフトウェアのこと

OSSの特徴

1.自由な再頒布の許可
2.ソースコードの頒布の許可
3.派生ソフトの頒布の許可
4.作成者のソースコードの完全性
5.個人やグループに対して差別をしない
6.利用分野の差別をしない
7.再頒布時に追加ライセンスを必要としない
8.特定ソフトウェアに依存しない
9.同じ媒体で頒布される他のソフトウェアを制限しない
10.特定の技術やインタフェースに依存しない

OSSの種類

カテゴリOSS説 明
オフィスOpen Office
.org
ワープロや表計算などを含むオフィスソフトウェア。Microsoft Officeとデータの互換性があり、Word、Excelなどのファイルが扱える。ワープロ(Writer)、表計算(Calc)、描画(Draw)、プレゼンテーション(Impress)、データベース(Base)、数式エディタ(Math)の6つのソフトウェアで構成されている
インターネットFirefoxWebブラウザを表示できるインターネットソフトウェア。マイクロソフト社のInternet Explorerと同様の操作性を持ち、数多くのアドオン(追加プログラム)をインストールできる
電子メールThunderbird電子メールを送受信できるメールソフト。受信メール整理機能やプライバシー保護機能を使うことができる
OSLinuxUNIXと互換性がある。自由に改変して再配布できるため、拡張版製品の開発が盛んであり、特殊な機能の追加などが求められる産業用機器のOSとしても多数用いられている
データベース
管理システム
MySQLマルチユーザ、マルチスレッドで動作し、高速性と堅牢性に定評がある。Windowsや各種UNIX系OSなど、多くのプラットフォームで動作するのも特長の一つ
画像編集GIMP高度な操作が行えるソフトウェア。代表的な画像編集ソフト「Adobe Photoshop」に近い機能を持つ

 

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